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整体・鍼灸・健康のお話し

スポーツ医学

 

さあ、ウォーキングしましょう!

 ロバート・スィートギャルというアメリカ人の書いた『FITNESS WALKING』という本があります。
 読んでいるうちに思わず外に行って、ウォーキングをしたくなってきます。
 どんなことが書いてあるからなのでしょうか。
 よろしかったらこの本を買って読んで見られたら、きっとウォーキングが自分にとって新しい楽しみになり、奥行きの深い世界であることを発見することでしょう。
 また今ウォーキングをしている方にとっても、医学的な効果などがさらに深く理解できますし、ウォーキングって何てすばらしい世界なのだろうと思えてきて、嬉しくなってくると思います。
 それではさっそく中に書いてあることがらをいくつか紹介していきましょう。

著者の紹介

 ロバート・スィートギャル氏は1984年にアメリカの50州18,668キロを歩く旅に出発しました。そして途中の学校や公会堂や街角で、ウォーキングや健康について講演しました。もちろん無報酬でした。そしてウォーキングによって身体のコンディションがどうなっているかを調べるために医学の研究機関で調べてもらい、ウォーキングが健康にとって最も効果的なエクササイズであることをデータによって証明しました。 この本は単にウォーキングが健康にいいということだけを書いている本ではありません。アメリカ一週ウォーキングの中での人々からの温かい親切や、心に残る出会い、そして時々襲う孤独感など、ウォーキングに賭けた人間の生き方やドラマも描かれていて、とても面白くてためになる本です。  この本の序文で著者はこう書いています。

「私は、ウォーキングは他のフィットネスにはないものがあると思っている。酸素を取り入れるコンディションは確かに大切だ。体重や血圧のコントロール、ダイエットやストレスの解消・・・・・どれもこれも大切だ。この本を読み進むうちにそのことは明らかになるだろう。
 が、それとは別に、この本が秘めていることがある。積極的な行動と、人生に立ち向かう意志だ。だからあなたは、私がしたように、人生の扉を開き、あなた自身の方法で歩きぬくことができる。そして、誰が私たちの隣人であるかを知ることができるはずだ。」

なぜウォーキングなのか

 著者は特別にスポーツに優れていたのではありませんでした。ハイスクールでは本の虫で、理科と数学が得意でした。しかし自分自身が太ってきたことや、父親が心臓に問題を抱えるようになってきたことで、ある日ジョギングを始めることを決心しました。そして走ることが習慣になるうちにだんだん楽しくなり、距離も長くなりました。
 そんな中で父親が心臓病でなくなり、そのあと3週間連続して3人の叔父や伯母が続けていずれも心臓病で亡くなるという出来事がありました。
 そして著者は身体の中で一番大事な心臓を鍛えようと心に誓いました。それからマラソンが日課になり、マラソンレースにも参加するようになり、勤めていた会社の仕事にも精を出しました。本にはこのあとの著者の人生を変えていく出来事が次のように書かれています。

「1981年、私はその頃予定されていた大陸横断レースに出る決心をした。東海岸から西海岸まで、5600キロを77日かけて走る。一日の走行距離は73キロ。マラソンの約2回分だ。そのためには、すべてをトレーニングに当てなければならなかった。が、休職届けは受理されなかった。私は思い切って会社をやめることにした。そしてわずかばかりの貯金を持った独身者になった。・・・・・
 そんなとき大陸横断レースが中止になった。私は目的を奪われて道路に放り出されたように、何もかも手につかない状態だった。
 が、私を道路に放り出したものが、私に方向を与えてくれた。健康とエクササイズと労働を結びつける。これ以上に良いものがあるだろうか?しかも今度は私一人のためだけではなく、万人の健康のためだ。アメリカ中を旅して、心臓病と戦おう。毎年100万人のアメリカ人の命を奪い続けている、あの心臓病が戦いの相手だ。新聞が、ラジオが、雑誌が、テレビが、心臓を守るために運動をしようと呼びかけている。なのに、アメリカ人の半分以上は何もしていない。どうすれば、なにか変わったことができるだろうか。私にできるのは人々に向かい合い、眼をのぞきこんで「心臓のためにエクササイズを」と言うことだけだった。」

 彼はウォーキングが健康に与える影響を次のように言います。

「私たちには確信があった。何年も運動不足の生活をしてきて、悪い週間の積み重ねでひどい健康状態になっていても、簡単なウォーキング・プログラムを実行し続けていれば、健康状態は改善されるのだ。・・・・
 最低8週間、私たちがアウトラインを引いたプランにしたがってくれれば、状態は確実に良くなる。そこまで行けばとっかかりができる。トータルなフィットネスを通じていきいきとした楽しい生活を送る、とば口にさしかかるのだ。」

ウォーキングとジョギングの違い

 医学的な事情によって他の運動を禁じられている場合でも、ウォーキングなら大丈夫という人がかなりいるようです。
 また走っている場合は、着地するたびに体重の3倍もの重さがかかり、テニスやバスケットボールの場合ですと、最大で7倍もの重さが足にかかることがわかっています。この衝撃が関節にダメージを与え、故障のためにスポーツをあきらめなければならなくなった人はかなり多いのです。せっかくエクササイズを楽しもうと思って始めたのに、故障のために何ヶ月も休まなければならなくなっては大変です。
 アメリカにはマスターズ・トラック・チャンピョンシップという40歳から80歳まで、年齢別に分けて記録を競う大会がありますが、参加者の6割までが、過去1年間に練習を中断しなければならないほどの故障に見舞われていたというデータがあるとのことです。しかもその中の3分の1以上は、1ヶ月ほど何もできなかったそうです。
しかしウォーキングの場合はその心配はありません。
 しかも歩いていてわかると思いますが、歩いていると腹筋や背筋や首の筋肉にいたるまで、全身の筋肉が動いているのがわかります。そして身体に最適な有酸素運動です。
 またウォーキングは心をすっきりさせ、ストレスを減らしてくれます。思考を明晰にして集中力が増し、精神疲労も取り除いてくれます。
 ウォーキングはただ歩くだけの単調なものと思われがちですが、実際は非常に内容の深いエクササイズです。本の最後に著者はこう締めくくっています。

「美味を極めようとした人が最後に水の味にたどりつくとはよくいわれることだけれど、シンプルなものほど奥が深いということを、私たちはウォーキングを通じて再認識することができた。・・・・・
 ウォーキングとは最古にして最新のフィットネスなのだ。ドアを開けよう。そして、外へ!」

さいごに

スタート地点 大阪城公園にて
「スタート地点 大阪城公園にて」

 本の内容とは外れますが、ウォーキングの愛好者のための「日本ウォーキング協会」という団体があります。ホームページで検索すると各地で行われているウォーキング大会の案内があります。私は今年の1月3日に行われた新春大阪ウォーキング大会に妻と一緒に参加しました。
 スタートは大阪城公園で、ゴールは16キロコースはUSJ、28キロコースは住吉大社です。私たちは初めてだったのでまずは16キロコースに参加しました。その模様はスタートの集合場所と、途中の光景の写真を添付していますのでご覧下さい。
 約1000人くらいの人が参加していたと思います。その集団がすたすたとおそらく時速6キロくらいの速いペースで公演や大通り、工場横や商店街の中など、普段余りお目にかかれない光景の中を歩きました。車や列車は楽に行けるのでそれなりの良さはありますが、歩くことは結構大変ですので、さすがに足や体は疲れますが、とても新鮮で楽しく、何よりも終わったあとの充実感が最高でした。

ゴール地点 USJ前の公園にて
「ゴール地点 USJ前の公園にて」

 またウォーキング雑誌もいいものがあり、読んでいるだけで「今日もウォーキングしよう!」「ウォーキングが私の趣味です!」と言いたくなってきます。
 配偶者がおられる方でしたら、歩きながらいろいろな会話ができます。部屋の中ですと相手の話を聞いているようで、意識は仕事のことやいろいろなことが心に引っかかっていたりで、まともに聞きたくても聞くことができないほど、現代人は忙しくてストレスが多い環境にさらされています。
 しかしウォーキングはストレスや心の引っ掛かりを解いてくれますし、テレビや本などもなくひたすら歩くだけですから、相手と話しする以外の一切の刺激から遮断されています。自然と夫婦の会話も新鮮で良いものになってくると思います。もちろん友人と歩くのも楽しいですし、一人で歩くのもいろいろなことを発展的に考えることができます。歩いているとα波が出ますし、心や身体を健康にする良いホルモンが出てくることも医学的に解明されているからです。
 さあ、今これを読んでおられるあなたも、よろしかったらフィットネス・ウォーキングしませんか。そしてどこかのウォーキング大会でご一緒できたらいいですね。

※参考文献 ロバート・スィートギャル著
『FITNESS WALKING(株)マガジンハウス発行』