はじめに
整体は「体を整える」と書きます。広い意味では身体の歪みやエネルギー及び気の歪みなどすべての歪みを整える手技療法を言いますが、狭い意味では骨格の歪みを整えることを言います。
私の行っている整体の原理について、今からご説明しますが、一言でいいますと「筋肉及び血液・リンパの循環改善による身体の歪みの改善」ということになると思います。もちろんこれは最小限の表現で、このほかにも精神心理的な要素もはいってきます。
治療とは「治す」ものではなく、「症状の原因を取り除き自然治癒力を高めることによって、身体がみずから治っていくのを手助けすること」というのが一般的な概念になると思います。
ところで私の行っている整体は次に述べておりますように、淤血や微小循環障害を改善することが一番大きなポイントになります。
このことについて少しご説明いたします。
淤血と微小循環障害
淤血とは東洋医学で使われる言葉で、正常な循環が行われていないで滞っている血液のことで、痛みや不快感を生じる原因にもなり、自然治癒力も弱ってしまいます。
川の流れも滞ると汚れてきますが、同じようなことが血液にもいえるのです。
淤血があると酸素や栄養を運んだり、全身の細胞の老廃物を運び去ってくれる働きや、細菌などをそうじしてくれる働きに支障を来します。
また微小循環障害とは西洋医学の言葉で、毛細血菅の流れが悪い状態を言うのですが、淤血と同じ概念と言っていいでしょう。
以上のように淤血や微小循環障害は、放っておくとさまざまな病気の原因になりますので、これらの淤血や微小循環障害を取り去ることが治療の核心になるのです。
取り去る方法も手技療法の得意とする分野になり、時間はかかりますが確実に良くなりますし、患者さんの側からもそのことは実感できます。淤血や微小循環障害がとれれば、筋肉は再び正常な柔らかさになり新鮮な血液とリンパが充分に流れることによって、痛んだ組織や細胞も新陳代謝を繰り返しながら正常なものになっていきます。
ここで大事なことは、新しく細胞が生まれる場合には、充分な栄養や酸素が必要になるということです。循環障害があると新陳代謝も不十分ですし、新しい細胞への栄養や酸素も不十分ですから治癒は難しくなるのです。筋肉が正常な状態に戻れば、神経を圧迫していた状態がなくなり、その結果痛みやしびれといった神経症状も改善していきます。
以上のように淤血や微小循環障害は、放っておくとさまざまな病気の原因になります。それらを取り去る方法を、古来よりさまざまな治療家たちが工夫をし、臨床例を生むことによってそれぞれ流派を作っています。
言ってみればこの淤血や微小循環障害を取り去ることが治療の核心になるわけです。
実際の整体治療から
椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の方の治療をしていますと、アキレス腱の上の部分や太ももの裏側、そして臀部の奥の筋肉が硬くなっており、圧痛があることがほとんどです。これは骨のズレによって筋肉に緊張が生じている場合か、先ほど述べた淤血と微小循環障害が筋肉に生じている状態です。
前者の場合は初期症状ですから、骨のズレを調整すれば簡単に元に戻ることが多いです。問題は慢性化した症状で、筋肉の緊張が2、3年以上続くと老廃物が筋肉にたまって硬くなり、力を入れていないのに常に硬いままになっている状態になるのです。そうすると筋肉が老廃物によって傷つけられ、さらに硬くなったり、こりのかたまりのようなものができたり、筋肉の長さが縮んでくる場合もあります。そうなるとさらに症状は悪くなり、治りも遅くなります。
ところで骨格は筋肉によって支えられています。よく「骨のズレ」と言いますが、骨そのものがズレるというよりも、骨を支えている筋肉が硬くなって引っ張るためにズレが生じる場合が多いと私は考えています。
ですから骨格の調整は、筋肉の状態を正常にすることによって行うという治療法が確立されたのです。
これが私の整体の一番大きな特徴です。
治療するポイントは大体決まっていますが、全身を治療している中で、これはおかしいという部分が見えてきます。それが症状や治療法が、少しですが個人個人によって異なるということです。
整体の魅力
この治療法はいくつかの優れた治療法を研究して、臨床経験から少し工夫を加えて私が独自に作り上げました。
整体治療の利点は、全身の状態を診ることが、そのまま治療にもなっていることです。筋肉の状態を調べるために、全身の筋肉を手で押していきますが、それが淤血と微小循環障害を取り除いていく治療にもなっているわけです。
また鍼灸と違って、筋肉や身体全体を立体的にアプローチする治療です。
また治療は手で行いますが、これはスキンシップの要素もあり、心理面への効果も大きなものがあります。
私は鍼灸師でもありますが、整体に心引かれてすっかりこの治療法にほれ込んでしまいました。なんともいえない心地よさは、「癒し」という面からも、精神世界にも関係する奥行きの深さもあります。次に整体と心の世界について述べていきたいと思います。

