トップページへ戻る

整体・鍼灸・健康のお話し

心の健康学

 

脳内モルヒネで心も身体も健康になる!(下)

春山茂雄著『脳内革命(サンマーク出版)』を読む

 さて続編の『脳内革命2』という本の内容を紹介します。この本には右脳と左脳の違いについて実に面白い話が出てきます。要点を先に言いますと、「右脳には過去の人類が蓄積してきた知恵が遺伝子にストックされている」ということです。さっそく本文を見てみましょう。

P.22〜

「左脳は言語を操り、何かと損得を計算し、喜怒哀楽をも包み込んでいるのです。では右脳は何をやっているのか。従来の説でうなずけるのは右脳の創造性や感性、直観力といったもの、それと図形認識などの機能。これらは実験によっても確かめられていることです。  しかしひとつ隠された重要な働きが、実は右脳にはあるのです。それは過去の人類が蓄積してきた知恵が、遺伝子情報としてストックされているということです。右脳というのはそういう役割を持った『先祖脳』だと思うのです。先祖から受け継がれた遺伝子レベルの情報のすべてが入っている、というのが私の考え方です。・・・・  右脳と左脳を比べた時、右脳の持つ潜在パワーは左脳の10万倍と推定できます。 ・・・左脳中心で生きることは、自分の持つ能力の1%も使わない、もったいない生き方なのです。」

右脳には人類の英知のエッセンスがある P.42〜

 「つまり、右脳には過去から現在に至る人類の500万年に及ぶ遺伝子レベルの情報が全部詰まっていると考えるのです。
 人間が生きていくうえで最も大切な本能や自律神経の働き、道徳、倫理観、さらには宇宙の法則のようなものまですべてひっくるめて、人類が獲得したあらゆる最適生存情報がある、それが右脳なのです。
 一方、左脳の方は生まれてから自分が取り込んだ情報をどんどん蓄積していく。経験や知識を詰め込んで記憶の宝庫となっていくが、右脳の方は生まれながらにしてすでに人類の記憶の宝庫であるのです。・・・・
 人間は左脳中心に生きがちですから、どうしても自分の経験とか知識を中心にして自我を形成していくし、また判断の基準もそれに頼ろうとします。・・・・・
 片方に10万倍の先祖からの遺伝子情報の蓄積があるのに、それを活用もしないで、わずか自分の経験だけの左脳で判断していいのか。・・・・
 さらに自分がピンチに陥ってしまったような時、『これで万事休す』と絶望するのもおかしい。過去の人類はさんざんそういう経験を積んでいて、ピンチとは何か、どう乗り切ればよいのか、そういうノウハウをちゃんと右脳に持っている。それを使わないのは宝の持ち腐れというものです。」

 とんでもない残虐な犯罪を行った死刑囚が、刑務所の中で改心し、それまでとは全く別人のように善良な人になっていったという話はよく聞きます。あるいは長年ずっと意地悪で、誰に対しても悪態しかつかなかった人が、死ぬ直前に人格がすっかり変わってとても素直で優しい人間に変わってしまったという話も聞いたことがあります。あるいは一度も楽器を習ったことのない少年が、ある日突然目の前のピアノを取り付かれたように引き出し、しかもその曲が有名な作曲家の曲だったという話もあります。
 春山氏の説に従えば、これらは右脳に眠っていた何万年もの先祖の知恵や良心が、あるきっかけで目覚めて顕在化したと考えられます。もしそのことが本当だとすると、潜在能力や美しい心といったものも、すべての人に平等に与えられていると考えることができます。但しそれが顕在化するのを邪魔する働きや障害があるため、いろいろ問題が起こってくるのだと考えていいかもしれません。
 春山氏はさらにこう述べています。

「最新の脳生理学の研究成果を加味して私なりに考えていくと、われわれの遺伝子はただ精密に機能するシステムとしてではなく、ある目的を目指しているとしか思えません。こうした考え方はビッグバン説で著名なホーキング博士も言っていることです。
 では宇宙が目指す方向とは何か。先祖から伝えられてきた生き方とは何か。それを明らかにする役はいままで宗教や哲学が担当してきましたが、翻訳すればそれは『真・善・美の世界』といってよいのではないでしょうか。私にはそう思えて仕方がないのです。(P.55)」
「真理、正義、善といった価値観は、右脳が私たちに教えている道筋であるかもしれません。それに従う時私たちは守られ、外れると排除される。宇宙のシステムはそのようになっているのではないでしょうか。・・・・
 つまり私たちは地球上の法則や原理にしたがって生きればいい。そういう生き方をすれば最適生存ができる。それを教えるのが右脳です。(P.73)」
「そこは損得勘定と快・不快が支配する世界だからです。非常に狭い世界で人生を見て、世の中を見て結論を出してしまう。私たちはとかくそういう世界に引き込まれがちですが、左脳で生き方を決めるのは恐ろしいことなのです。左脳は生まれてからの一代かぎりの知恵で物事を判断しているからです。
 これに対して右脳は先祖脳ですから、過去のすべての知恵が参加して判断してくれる。左脳が一人とすると、右脳は十万人ぐらい程の人間がいろいろ知恵をしぼって教えてくれるのです。どちらの知恵に頼った方が間違いないかは議論の余地がないと思います。
 左脳の怖さはもう一つあります。個人差が大きいことです。境遇や環境によって左脳にインプットされる情報は大きく異なってくる。右脳はあなたの右脳も私の右脳もそれほど変わらないのに、左脳には大きな差がある。だから相手には通じないことが多いのです。(P.92)」

 右脳について興味ある話がたくさん出てきます。春山氏は右脳を活用することがα波と脳内モルヒネを出させ、楽しくしかも人類の知恵にのっとった生き方ができることにつながると述べています。
 『脳内革命』を読んでいきますと、私たちはこれからどのように生きていったらよいのか、そして非常に大きな観点になりますが、人類はどの方向に進んでいったらいいのか、といったことを考えるヒントを与えられます。脳内モルヒネの仕組みや、それを出すための生き方について読んでいきますと、何か嬉しくなるような、希望が湧いてくるような、そんな気がしてきます。
 ここまで読まれて興味を持たれた方は、ぜひともこの本を読んでみられたらいかがでしょうか。きっと「本当にいい本に出会った」という深い喜びが得られるここと思います。