患者さんとよくペットの話をします。
犬を飼っている人が多いのですが、犬は人間の言葉がある程度分かるそうです。先日新聞で、300近くの言葉を認識できる犬のことが載っていました。動物王国の畑正憲さんの本の中で、犬は人間の3歳くらいの知能を持っていて、人間が何を話しているかをだいたいのところはわかると書いてありました。 ある動物病院の先生がこんなことを言っていました。
ある家で大変なことが起こって、大急ぎで犬をペットホテルに預けて不安で引きつった表情で犬の主人が去って行った後は、犬は食欲がまったく無くなり、2日後くらいに胃潰瘍になって血を吐くことがあるといいます。また旅行で何日か家を空けるような時は、主人たちが楽しそうな雰囲気なので、犬も安心しておとなしく帰りを待っているということでした。 こんな話を聞くと犬のことがいじらしくてしようがなくなります。思わず抱きしめてそのままずっといてあげたくなります。
ある動物学者たちが犬を始め動物たちが人間を癒したり、あるいは人間を命がけで救ったりする実話を書いた本を読んだことがあります。こんな話がありました。 ある家が火事になってあっという間に燃え上がりました。その家で飼われていた犬はすぐに外に逃げましたが、大切な主人がまだ家の中にいます。犬は直感で主人が危険な状態にいることがわかりました。瞬間、犬はダッと燃え上がる家の中に駆け込んでいきました。思ったとおり、主人は部屋の中で気を失っています。その時燃え上がった天井が主人の上に崩れ落ち出来ました。とっさに犬は主人の上に覆いかぶさりました。やがて消防隊によって火事が消された後、主人の命は助かり、そしてその上に覆いかぶさっていた犬は焼け死んでいました。 イルカに乗った少年の話も、何度かあった実話だそうです。海でおぼれている子供をイルカが助けて、陸まで連れて行ったという話は本当にあったことだそうです。
私の知り合いに九官鳥を飼っていた人がいました。自分が話す言葉を一生懸命まねして話す九官鳥がかわいくてしようがありませんでした。ある日のこと、その人はのどの病気になって声が出なくなりました。仕事が出来なくなって大変な状態でした。すると九官鳥も声が出なくなってしまいました。何日かして、その九官鳥は鳥かごの中の止まり木でじっとしていたかと思うと、突然横向きに倒れ落ちてそれっきり死んでしまいました。 その後何日かして主人の声が出るようになりました。そしていつの間にか、のどの病気も治ってしまったとの事です。 動物病院の医者の話によると、こういったことはよく聞く話だということです。
ペットは主人のことをとても愛しています。主人がペットのことを愛している以上に、ペットは身も心も100%主人を信頼しきっていて、そして愛しているのだと思います。だから主人が身の危険があると自分が死ぬかもしれないことなど考える予知なく、主人を助けることだけで他のことなど考えられなくなるのだと思います。そして主人が重い病気になって死ぬかもしれない状態になったときは、その病気を自分が変わりに吸い取ってあげるかのように、身代わりになって主人を助けようとするのかもしれません。病気は単純に細菌によるものもありますが、(これは不思議な話で科学的には何の根拠もないことですが)、原因不明の「何か」によるとしか考えられない症状もあると思います。その「何か」を主人を愛する動物は代わりに受けて、そして死んでいったのかもしれません。
これは本当に根拠のない話ですが、動物たちの愛情豊かな姿を見ていると、そう思ってあげることが、彼らに対する礼儀だと思っていいかもしれません。
今きっと天国で幸せに生きている彼らに、「ありがとう」と感謝の気持ちを送りたいと思います。
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